2014/10/23

STUDIO D'ARTISANの物語 episode 3「DO-1誕生」




「日本で最初にセルビッチジーンズ」を作ったブランド STUDIO D'ARTISANの物語
episode 3「DO-1誕生」

アメリカのジーンズに、フレンチワークパンツのシルエットを取り入れ、組み上げたパターン。
「日本初のセルビッチジーンズ」の誕生は目前だった。

しかし、アルチザンがもうひとつどうしてもこだわりたかったのが、日本の伝統的なインディゴ染めである「蓼正藍」による「カセ染め」だった。

1900年代初頭から現代のジーンズに至るまでインディゴ染めの主流である「合成インディゴ」ではなく、あえて日本古来のカセ染めを取り入れることで、ジーンズに「日本の伝統」を取り入れたかったのは勿論だが、アルチザンが考えたのはそれだけではなかった。
「合成インディゴ」が存在しなかったジーンズ創世期のインディゴの風合いに思いを馳せ、現代に再現したいという「願い」「浪漫」がそこにはあった。

幾度にもわたる失敗を重ねながら、束ねたムラ糸を何度も何度も手染めすること48回。

手を藍色に染めながら完成をみたそのインディゴは、これまで誰も見たことのない深みと蒼さをたずさえていた。


1986年、ブランド立ち上げから実に7年という歳月を経て「ステュディオ・ダ・ルチザン」は、遂に記念すべきファーストモデル「DO-1」を世に送り出す。

27インチ幅の旧式力織機によるセルビッチ付きの生地、手作業の天然インディゴによるかせ染め、バックシンチや綿糸縫製、打ち抜きリベットといったディテールを兼ね備えたそのジーンズは、それまでのジーンズにはなかった全く新しい価値観を打ち出す「日本で初めてのセルビッチ付きのジーンズ」だった。

アメリカの象徴である「ジーンズ」に、ヴィンテージという概念を持ち込み、ヨーロッパ的クラフトマンシップと日本のアルチザン<職人>たちの技を盛り込み「日本で初めてのセルビッチジーンズ」を生み出したブランド「ステュディオ・ダ・ルチザン」。

常に開拓者であろうとする情熱と誇りは、今もなお我々の製品の中に生きつづけている。

~ fin



今もなお、ダ・ルチザンを代表するモデルとしてラインナップされている「DO-1」
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10月26日は「デニム」の日。
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2014/10/22

STUDIO D'ARTISANの物語 episode 2「運命の場所」


前回までのお話はコチラ→ episode 1「Back to 70s, マリジュアン」


「日本で最初にセルビッチジーンズ」を作ったブランド STUDIO D'ARTISANの物語
episode 2「運命の場所」

まず、アルチザンは「旧式の織り機」で織り上げたセルビッチ(耳)付きの生地と、当時から今もジーンズの主流である大量生産向けの「革新機」で織り上げた生地の違いに注目した。最も大きな違いは使われている糸。「旧式の織り機」で織られた生地に使われる糸は重く頑丈なムラ糸と呼ばれる糸であるが、高速で生地を織り上げていく「革新機」ではこの太く重い糸を織り上げることはできない。この違いこそ、旧式の織り機で織られた生地にのみ宿るフィット感であることに気がついた。

しかし、どこを探せばこの旧式の織り機でデニム生地を織ってもらえるのだろうか?
インターネットも携帯もない時代、あるのは自らの身ひとつ。アルチザンは日本全国の生地の生産業者、織屋を一軒一軒回った。あてなどない。とにかく自分の足で行動するしかなかった。
だが、メーカーでもない、いちショップオーナーの彼に対する風当たりは思いのほか厳しかった。

門前払いは当たり前。何の情報も得られず、何の成果も挙げられぬ日々の連続だったが、どんなに邪険に扱われようと、どんなに貧しい思いをしようと、アルチザンはひとつも苦労だとは思わなかった。しかし、先が見えぬ手探りの道をただ一人で歩き続けなければならない「孤独」こそが、アルチザンにとって最も辛かった。

そんな孤独にもヘコたれず、己の信念を貫いた男の熱意は備後の地で遂に身を結ぶ。
元来、伝統的に帆布の生産が盛んだった備後地方に、アルチザンが夢にまで見た「旧式の織り機」が存在したのだ。運命の織り機は、まるでアルチザンがやって来るのを長い間そこで待っていたかのように、ひっそりと佇んでいた。だが、最も大きな出会いは機械ではなく人だった。

こにはアルチザンの溢れる思いに真摯に耳を貸し、埃にまみれた「旧式の織り機」を稼動させ、アルチザンと共に汗と埃にまみれながら根気強くデニム生地を織り上げてくれる腕のいい職人たちがいた。アルチザンの夢に少しずつではあるが、賛同者が現れ始めたのだ。
「日本製のセルビッチ付のジーンズができる!」アルチザンの心は躍ったが、肝心のパターンがない。

アメリカのジーンズのパターンをそっくりそのまま写しとったのでは、アメリカのジーンズには勝てない。何か斬新なデザインが必要だ。
アルチザンは唯一無二のジーンズのデザインを求め、アメリカではなく自分の原点であるフランスへ飛んだ。

シャンゼリゼ通りの最新鋭のブティックやショールームを巡るも、斬新なアイデアは中々湧き出てこない。日本に残してきた妻は、いつも苦しい顔ひとつせず、なけなしの資金をやりくりし、笑顔で自分を送り出してくれた。妻の為にも手ぶらで帰国するわけにはいかない。アルチザンが焦れば焦るほど、帰国の時間は刻一刻と迫る。あてもなくパリの街をさまよい歩くアルチザンの目に留まったのは、修行時代によく訪れたパリの蚤の市だった。古い雑貨や骨董品の店がずらりと並ぶパリ名物の蚤の市。その活気と空気がとても懐かしく、もの作りに対する情熱に燃えていたあの頃がつい昨日のことのように思えた。

小一時間ほど蚤の市の中を歩いただろうか、ヨーロッパの古道具を扱う骨董屋の前で、アルチザンの足が止まる。数十年前の職人たちが長年愛用してきたであろうあらゆる古道具の合間に、埃をかぶった1本のパンツが見えた。年代物のフレンチのワークパンツだった。アメリカのワークパンツとは明らかに異なる独特の太さを持つシルエットに、錆ついてくたびれたシンチバックが、アルチザンには輝いて見えた。「これだ!」

彼は早速そのフレンチワークパンツを日本へと持ち帰り、パターンの作成にとりかかった。


to be continued...

episode 3「DO-1誕生」




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2014/10/21

STUDIO D'ARTISANの物語 episode 1「Back to 70s, マリジュアン」







「日本で最初にセルビッチジーンズ」を作ったブランド STUDIO D'ARTISANの物語
episode 1「Back to 70s, マリジュアン」

1970年代後半、大阪心斎橋エリアのある区域が「アメリカ村」と呼ばれ始めた頃。その一角に小さいながらも何か新しい特別な空気を帯びたショップがあった。お店の名は「マリジュアン」。

フランスで服飾を学んだ店主が、海外から買い付けてくる洋服の数々は、当時の日本では中々お目にかかれない独特の目線で選びぬかれた逸品ばかり。店内を彩るヨーロッパの骨董品を取り寄せた陳列棚や装飾品も、当時の人々からすると、とてもびやかで先鋭的で眩しく見えたに違いない。
現在でいうところの「セレクトショップ」の先駆けともいえるマリジュアンは当時、最先端のファッションを愛好する人々の間で瞬く間に話題となり、デザイナー、作家、ミュージシャン、絵描き、あらゆる種類の人々が出入りし、情報を交換しあうサロンとしても機能し、新たなるカルチャーを発信する場となっていった。
そのあり方はその後の「アメリカ村」という街そのもののあり方を象徴するような、最もピュアな原型だったのかもしれない。

そんな刺激的かつ最先端の海外ファッションを提案するマリジュアンの店主は、最先端のものだけでなく古き良きものにも愛着を持っており、こと「ジーンズ」に関しては「ヴィンテージ」という概念が生まれるはるか以前から愛好していた。彼は「マリジュアン」という場を拠点に「ヴィンテージ・ジーンズ」という古く、そして新しい概念を独自に築き上げ世に発信した最初の人物だったといえる。

彼はジーンズの「完成されたデザイン」に惚れ込み、数多くのジーンズをコレクションしていた。フランスのクラフトマンシップ(職人精神)に大きな影響を受ける彼が、ジーンズをただコレクションし、愛好するのには飽き足らず、「日本でジーンズを作りたい」と思うようになったのはごく自然な流れだった。彼はある時、自慢のジーンズコレクションを眺めながら考えた。

「戦後、日本人はアメリカの文化や産業から多くを吸収し、今や様々な分野で本国を凌駕することに成功している。アメリカ文化の象徴ともいえるこのジーンズも、日本で作ることができるのではないだろうか?」

1979年、マリジュアンの店主はブランドを立ち上げる。フランスで学んだヨーロッパ的クラフトマンシップと日本の職人精神を兼ね備えたブランドでありたいと願い、ブランド名は「ステュディオ・ダ・ルチザン」(職人工房)と命名。

しかし、メーカーではない、1ショップのオリジナルブランドである「ステュディオ・ダ・ルチザン」が、今のように設備もノウハウも一切完備されていない時代に、本格的なヴィンテージテイストのジーンズをつくることは困難を極めた。何のノウハウもない、あるのはジーンズに対する「熱い想い」と、日本人としてフランスで培った「職人魂」のみ。

彼は寝食を忘れ、ヴィンテージジーンズの解体に没頭する。縫製、生地、糸に至る細部を研究すればするほど、旧式の織機で織り上げられた、所謂セルビッチ(耳)付きのヴィンテージジーンズの完成度がいかに高いものであるかを思い知らされる。

「自分たちの登ろうとしている山は、考えていたよりもはるかに高い山なのかもしれない。しかし、この山を登ることは決して間違いではない。いつの日か、必ずこの手で日本で初めてのセルビッチ付きのジーンズを作ってみせる。」

もはや一介のショップ店主ではない、一人のアルチザン(職人)の姿がそこにはあった。彼の心に、決意の灯がともる。

to be continued...

episode 2「運命の場所」




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2014/10/20

ダ・ルチザンは今週「デニム・ウィーク」です!!

こんにちは、WEBスタッフのヒサタニです。

今週日曜日、10月26日は「デニムの日」です。

毎年、少しずつ定着しつつあるこの記念日。
ダ・ルチザンでは今週を「デニム・ウィーク」と位置づけ、名実共に日本のジーンズシーンの開拓者として走り続けてきた「ステュディオ・ダ・ルチザン」というブランドの軌跡を辿るべく、明日から3日間「STUDIO D'ARTISANの物語」と題した連載をアップしていきます!

"ヴィンテージ"という概念をジーンズシーンに持ち込み、日本で最初のセルビッチジーンズを作ったブランドの、知られざる歴史と苦悩と信念の物語。是非楽しみにして下さい!


「デニム・ウィーク」に合わせ、ダ・ルチザンが世界に誇る15オンスの定番シリーズの在庫も充実中です!
是非この機会に、自分だけの最高の1本を育て上げてください。

そして今週末10月25日(土)には、全国のアメカジ好きの祭典「稲妻フェスティバル2014」が開催!
ダ・ルチザンもブースを出店致しますので、お近くの方のみならず、遠方からも是非ご来場下さい。

開催日時:2014年10月25日(土) 10:00~16:00
会場:味の素スタジアム(東京都調布市376-3)
前売り入場券:500円  当日券:1000円




2014/10/18

重厚帆布仕様のSD-103タイプのパンツが登場!

こんにちは、WEBスタッフのヒサタニです。

6号帆布(19oz)というヘビーなダック生地を使用した5ポケットタイプのパンツが入荷しました!
ヘビーで無骨な生地ながら、シルエットは定番ジーンズ「SD-103」というタイトストレートのシルエットをベースにした、現代的で驚くほどスタイリッシュな仕上がりです。

ジーンズと同じ仕様ながら、生地が変わると全く違った風合いが楽しめますね。


ヘビーなダック生地に負けない、肉厚なレザーパッチも魅力的です。
デニムと同じく、穿きこみによる経年変化もしっかり楽しんで頂ける丈夫でヘビーデューティーな1本です。



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